町内会防災対策55:「町内会防災マニュアル」完成への道~誰でも迷わず動ける、実践的な手引書~

「防災計画は作ったけど、いざという時、どう動けばいいのか分からない…」
「町内会に新しく入った人も、すぐに防災活動に参加できるようにしたい」
前回、町内会独自の「防災計画」を作成することの重要性をお伝えしました。しかし、計画はあくまで「方針」です。
災害時の混乱した状況で、誰もが迷わず動けるようにするためには、より具体的に、より分かりやすくまとめた**「防災マニュアル」**が必要です。
今回は、町内会防災マニュアルを作成する際のポイントと、盛り込むべき具体的な内容についてご紹介します。
1. なぜ「マニュアル」が必要なのか?
マニュアルは、災害時の行動を「見える化」するためのものです。
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行動の統一:
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マニュアルがあることで、関係者全員が同じ手順で行動でき、混乱を防ぐことができます。
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引き継ぎの円滑化:
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担当者が変わっても、マニュアルを読めばすぐに活動内容を理解できます。
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住民への周知:
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災害時の行動を事前に知ってもらうことで、住民の不安を軽減できます。
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2. マニュアルに盛り込むべき「4つの柱」
マニュアルは、以下の4つの柱を中心に構成しましょう。
柱1:運営体制と役割分担
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町内会防災本部の設置:
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本部を置く場所、メンバー、災害時の役割(情報収集、物資管理など)を明確にします。
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連絡網:
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町内会役員、班長、防災リーダー、行政など、災害時に連絡をとるべき相手と連絡手段を一覧にします。
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柱2:避難所運営マニュアル
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避難所開設の手順:
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避難所の鍵の受け取りから、受付の設置、プライバシー確保のためのパーティション設営まで、手順を細かく記載します。
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避難者受け入れの流れ:
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避難者の氏名、連絡先、家族構成、特別なニーズ(持病、アレルギーなど)を記録するフォーマットを用意しておきましょう。
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トラブル対応:
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避難者間のトラブルや、体調不良者が出た場合の対応手順を記載します。
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柱3:物資・資機材管理マニュアル
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備蓄品リスト:
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防災倉庫にある備蓄品の品目、数量、賞味期限、配置場所を一覧にします。
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資機材の取り扱い:
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発電機、投光器、工具などの使い方や、メンテナンス方法を記載します。
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柱4:情報発信・広報マニュアル
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情報発信の手段:
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災害時に、回覧板、掲示板、SNSなど、どのような手段で情報を発信するのかを決めます。
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伝えるべき情報:
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避難所の開設状況、被害情報、安否確認情報など、伝えるべき内容を整理します。
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3. 「やさしい」マニュアルにする工夫
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写真やイラストの活用:
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文字ばかりだと読みにくいマニュアルも、写真やイラストを多用することで、視覚的に分かりやすくなります。
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チェックリスト形式:
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災害時に慌てずに対応できるよう、手順をチェックリスト形式にすることで、確認しながら行動できます。
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平易な言葉遣い:
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専門用語を避け、誰もが理解できる平易な言葉で記述しましょう。
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町内会防災マニュアルは、一度作って終わりではありません。年に一度は内容を見直し、改善していくことで、常に最新で実効性の高いマニュアルを維持できます。
次回は「防災広報誌」を発行してみたをテーマに、町内会報で防災情報を発信する方法をご紹介します。

