町内会防災対策33~要支援者支援計画のつくり方~

どう関わればいいか分からない

 「うちの町内にも、支援が必要な方がいる。でも、どう関わればいいか分からない」

 この声は、全国の町内会で共通する悩みです。高齢者、障がいのある方、乳幼児を抱える家庭、外国籍住民など、災害時に特に支援が必要な方々(要支援者)への備えは、地域の“思いやり力”が試される分野でもあります。

 今回は、全国の事例を交えながら、町内会でできる「要支援者支援計画」のつくり方を解説します。

🧭ステップ①:誰が「要支援者」なのかを知る

 まずは、地域にどんな支援ニーズがあるかを把握することが出発点です。

 全国の事例:

 兵庫県神戸市:

 自主防災組織が「災害時要援護者台帳」を作成。個人情報保護に配慮しつつ、本人同意のもとで支援内容を記録。

 東京都墨田区:

 町会が「見守りマップ」を作成。普段の見守り活動と災害時支援を連動させている。

 町内会でできること:

  • アンケートや個別訪問で、支援が必要な方の希望を確認(同意が前提)

  • 民生委員・福祉推進員との連携で情報を共有

  • 「災害時支援希望カード」などを配布し、意思表示を促す

🧩ステップ②:支援内容を具体化する

「誰が」「いつ」「どこで」「何をするか」を明確にすることで、計画は“絵に描いた餅”から“動ける仕組み”になります。
支援内容の例:
支援対象      支援内容                担当者
独居高齢者   安否確認・避難誘導     隣人+班長
車椅子利用者  避難所までの搬送      若手住民+福祉団体
聴覚障がい者  情報伝達(筆談・スマホ)  防災担当+家族
乳幼児家庭   おむつ・ミルクの備蓄    子育て支援班

全国の事例:

 静岡県焼津市:

 避難所に「福祉スペース」を設置。要支援者が安心して過ごせる環境を整備。

 宮城県石巻市:

 障がい者団体と連携し、避難訓練に手話通訳やバリアフリー対応を導入。

🛠ステップ③:訓練と見直しで“生きた計画”に

 計画は作って終わりではなく、実際に動かしてみることで課題が見えてきます。

町内会でできること:

 要支援者を含めた避難訓練(実際に避難所まで歩いてみる) 
 支援者同士の連絡訓練(LINEグループや無線機の活用)
 年1回の計画見直し(新たな支援ニーズの追加)

 全国の事例:

 熊本県益城町:

  地震後、避難所での支援体制を見直し、町内会が「支援班」を編成。

 新潟県長岡市:

 豪雪地帯の「雪害時要支援者リスト」を作成し、除雪支援と連動。

🤝「支援」は“関係性”から生まれる

 要支援者支援計画は、単なる防災マニュアルではありません。それは、地域の人と人との“関係性”を育てるプロセスです。

 「災害時だけ助ける」のではなく、「普段からつながっているからこそ、助けられる」 この視点が、町内会の防災力を根本から変えていきます。

 次回は、「災害時の情報伝達と連絡体制」。
 情報が命を左右する災害時に、町内会でどんな仕組みを整えておくべきかを掘り下げていきます。

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