町内会防災対策26~「災害弱者」をどう守るか~

「うちは足が悪いから、避難は無理だと思ってるの」

 この言葉を聞いたとき、胸が詰まりました。災害時、最も困難な状況に置かれるのは、体の自由がきかない方、病気を抱えている方、乳幼児を育てている家庭など、いわゆる“災害弱者”です。

 町内会として、彼らをどう守るか。前にも触れた内容ですが、今一度その具体策を考えていきます。

🧓要配慮者の把握から始める

 最初に必要なことは、「誰が支援を必要としているか」を知ること。
多くの市町村では「避難行動要支援者名簿制度」があり、本人の同意を得たうえで、町内会が名簿を作成・管理できます。

 名簿には以下のような情報を記載します:
 • 氏名・住所・連絡先
 • 支援が必要な理由(身体的・精神的・環境的)
 • 緊急時の連絡先
 • 支援方法(付き添い、車での送迎、声かけなど)

 この名簿は、災害時の初動対応に欠かせないものです。№25でご紹介した「避難行動要支援者名簿」は行政が用意する名簿ですが、こちらは、町内会が独自に作成するものです。

 この名簿作成には、各個人の承諾が必要ですが、避難所や支援物資配布だけでなく、避難確認や救助活動の情報として必要なものです。互いを助けるために、避難後の生活を支えるために必要な情報です。

🚶‍♀️避難支援の仕組みづくり

 名簿ができたら、次は「誰が支援するか」を決める必要があります。町内会では、班ごとに支援担当者を決める方法が一般的です。支援者には事前に研修を行い、避難ルートや支援方法を共有しておきます。

 要支援者とその方を支える支援者のマッチングはとてもデリケートな作業です。人にはそれぞれ気の合う人やタイプがあります。その気持ちのすり合わせには時間がかかります。

 平時からの人間関係の作り方や顔合わせの場面、一緒に行動するイベントなどの取り組みが欠かせない準備です。

 要支援者の中には、「支援する方を変えてほしい」という方もいれば「我慢するからいいです」という方もいらっしゃいます。支援者の数が多ければこういうミスマッチングを解消できます。

「災害時にいきなり動ける人なんていない」

 当然このような声が聞かれます。誰も避難者支援を経験していないことの方が多いのが現状です。そのためにも、平時の準備が命を守ります。

 多くの自治体では、支援者の皆さん向けの研修会を開催しています。子の研修会で、支援者としての心の準備と他のスタッフとの連携・相談の方法などを学びます。

 支援者を助けるスタッフの役割も重要になってきます。だからこそ、研修が重要になります。

🏥医療・介護との連携

 要支援者の中には、医療や介護が必要な方もいます。各自治体には「災害時要配慮者支援マニュアル」が準備されており、医療機関や福祉施設との連携方法が記載されています。

 町内会としては、行政との連携の中で、近隣の病院や訪問介護事業所と連絡を取り、災害時の協力体制を確認しておくことが望ましいです。

 また、個々に関係のある介護施設やケアマネージャーの方との連絡方法なども把握できると情報をより正確につかむことができますので、名簿などに記載しておくとよいでしょう。

🧠「守る」ではなく「支え合う」

 災害弱者を“守る”という言葉には、どこか一方的な響きがあります。しかし、実際には「支え合う」ことが大切です。本人の意思を尊重し、できることを一緒に考える姿勢が、町内の信頼関係を育てます。

 次回は、町内会の防災委員会をどう再編し、実効性のある組織にしていくかを考えていきます。

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