町内会防災対策42:「避難所運営ゲーム」で学ぶ防災~若者も参加したくなる、体験型シミュレーション~

「防災訓練って、いつも同じことの繰り返しで飽きてしまう…」

 「若い人たちにも参加してほしいけど、どうしたら興味を持ってくれるだろう?」

 防災活動を「自分事」として捉えてもらうためには、座学だけでなく、体験型の**「楽しさ」や「学び」**を提供することが非常に有効です。その中でも、特に効果的なのが「避難所運営ゲーム(HUG:Hinanjo Unei Game)」です。

 今回は、このHUGというユニークな防災ゲームを通じて、避難所運営のリアルな難しさと、参加者の主体性を引き出す工夫についてご紹介します。

1. 避難所運営ゲーム(HUG)って何?

 HUGは、静岡県が考案した、避難所の運営を擬似体験できるカードゲームです。参加者は避難所運営チームの一員となり、さまざまな状況に対応していきます。

 ゲームの進め方:

  • 体育館などの避難所に見立てたマップの上に、避難してくる住民の年齢、性別、国籍、特別なニーズ(ペット同伴、車椅子、病気など)が書かれたカードを配置していきます。

  • 次に、「食料が足りない」「高齢者が体調を崩した」「マスコミが取材に来た」といった、次々と起こる出来事カードを引き、参加者全員でどのように対応するかを話し合います。

このゲームのポイント:

  • 正解がない: 一つの問題に対して、複数の解決策が考えられます。参加者同士で意見を出し合い、最適な方法を探す過程が重要です。

  • 共感力と想像力: 避難してくる人々の状況を想像し、それぞれのニーズにどう応えるかを考えることで、防災に対する共感力が高まります。

  • チームワーク: 参加者一人ひとりの役割を決め、協力して課題をクリアすることで、チームワークが育まれます。

2. HUGがもたらす「リアルな学び」

 HUGの最大の魅力は、机上の空論ではない、生きた学びを得られる点にあります。

  • スペースの制約: 体育館の限られたスペースに、多様な背景を持つ人々をどう配置するか。この課題を通じて、プライベート空間の確保や通路の確保といった現実的な課題に気づきます。

  • 情報共有の重要性: 「怪我人が出た」「物資が届いた」といった情報を、運営チーム内でどう共有し、住民にどう伝えるか。情報の混乱がもたらすリスクを身をもって体験します。

  • 多様なニーズへの対応: ペット同伴者、アレルギーを持つ人、外国人など、さまざまな住民カードに対応することで、平時には気づきにくい課題に目を向けることができます。

3. 若者や家族を巻き込むきっかけに

 HUGは、ボードゲームやカードゲームの要素があるため、若い世代やゲーム好きな方々の興味を引きやすいという特徴があります。

 若者向けの役割:

  • SNSで避難所の状況を発信する**「広報係」**

  • ドローンを使って上空から被害状況を把握する**「情報収集係」** といった、デジタルに強い若者が活躍できる役割を用意すると、さらに参加意欲が高まります。

 親子で参加:

  • 家族で参加することで、災害時の家族の役割について話し合う良いきっかけになります。子どもが「ゲーム感覚で」防災を学べるため、苦手意識を払拭する効果も期待できます。

 

防災訓練は、義務ではなく「みんなで知恵を出し合う場」

 ゲームを通じて、新しい仲間とのつながりを育み、町内会の防災活動をより活発なものにしていきましょう。

 次回は「災害時の炊き出し訓練」に挑戦します。温かい食事を通じて、被災者の心を支える方法と、安全な調理のポイントをご紹介します。

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